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社交ダンスと風営法




もう、日本では知られていますが、2016年6月23日に晴れて風営法が改正され、飲食店でも夜通しでも、ダンスを踊ることが許されました。


それでも、まだまだ規制はありますが、晴れて一晩中でも踊ることが許されたわけです。


この風営法は、ナイトクラブやサルサダンスへの対象と思われがちですが、実は、社交ダンスにはとても深い関係があります。


そして、実は、この風営法の改正に向けて全力で行動を起こしたのは、社交ダンス界の人なのです。



社交ダンスが風営法で規制


社交ダンスは、明治時代に日本へ入って来て流行っていましたが、戦前、銀座のダンス講師と上流階級の婦人達の情交関係が問題となり、スキャンダルとなったことがきっかけで、規制されるようになりました。


ダンス教師らの一斉検挙や、練習ホールでの突然の解散命令もありました。


その頃は、風俗営業とみなされた営業に関して、厳しく規制され、男女が身体をつけて踊る社交ダンスは、その風俗営業の一環とみなされたのですね。


戦後の1948年に、改めて「風営法」対象とされ、その風営法は現在まで、30回以上も改正をされてきました。



風営法


当初、「風俗営業の予防」ということで、3つの業種について規制がされました。

  • 待合、料理店、カフェ―その他客席で客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業
  • キャバレー、ダンスホールその他設備を設けて客にダンスをさせる営業
  • 玉突場、マアジャン屋等、設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業
その際、ダンスホールが売春用途として使われていると言う認識から、社交ダンスも風営法にかかるとされました。

そのため、教育上よろしくないとされ、学校や保育所、病院の近くに教室を設けられないと言う規制や、麻薬所持者ではない証明を取らなくてはいけない規則がありました。

この規制は、ダンスに情熱をかけ、まじめに活動をしている団体への影響は強く、そのころからダンス団体は、何年もかけて警察や政治家へ働きかけてきました。

ダンス界は、長年にわたり、「風営法からダンスを外して!」と言う叫びを上げ続けてきました。

風営法の大きな改正


1998年、映画「Shall We Dance?」の大ヒットや、国際ダンススポーツ連盟や国際オリンピック委員会加盟などの後押しを受け、風営法は大改正されました。

公益法人日本ボールルームダンス連盟(JBDF)の存在や、国会議員の組織である、ダンススポーツ推進議員連盟の精力的な活動によって、ダンス自体の風俗営業法からの脱退を目指したのですが、官僚の妨害があり、風営法対象のまま、教師がいる場合にのみ、適用外とされることになりました。

要するに、ダンスパーティー等の教師がいない営業は、風営法に含まれたままだったのです
そして、その教師は、政令で定める講習を終了し、資格を得た教師が、ダンスを教える目的のみで営業することだけが認められました。

なんと、この何十年も、その規則のために、プロダンサーは講師としての資格を取り、高額な投資で級を維持したり、やっとの思いでダンス営業をしてきました。


近年の摘発条件


2012年4月に、「dob noon」の「客にダンスをさせた」の摘発など発端に、また風営法適応に反対する動きが全国で広まりました。またここで再度見直しがあり、警視庁も下記条件を提示しました。
  • 資格を保持しない者が教授するもののうち、趣味・健康増進等を目的とし、営利を目的としないもの
  • 男女がペアになって踊ることが通常の形態となっていないダンスを客にさせる営業
この2つ目の男女ペア、これがまさしく社交ダンスに当たるもので、この時点でも許可を得ないとペアダンスができなかったのですね。


2016年 風営法改正


ダンス団体の長年の努力も実り、ついに風営法が改正されました。


2015年6月24日

  • ダンス教室、ダンスホールなど、「施設を設けて客にダンスさせる営業」 4号営業の規制がなくなる

    クラブやレストランのように、「飲食+ダンス」は、この時点では禁止でした。

2016年6月23日

  • 「施設を設けて客に飲食、ダンスさせる営業」3号営業の規制がなくなる

    クラブやレストランで、深夜でも飲食提供しつつ客にダンスをさせることができるようになりました。
この改正により、社交ダンス業界では、資格がなくともダンスを教えられるようになりました。これに対して意見が様々です。


まだまだ問題は多く、今後もダンス界の活動に変化がありそうですね。


参考リンク

http://www.houko.com/00/01/S23/122.HTM





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